iPad Pro用のMagic Keyboardを購入し、約1か月使用したので徹底レビューします。
まとめでは、オススメできる人・できない人の紹介と、ずばり本商品は買いか否かといったところまで深堀りしました。
製品情報
発売日
2020.4.20
対応機器
iPad OS 13.4 以降をインストールした
- 12.9インチiPad Pro(第3世代と第4世代)
- 11インチiPad Pro(第1世代と第2世代)
カラー展開
ブラック一色
言語
- 英語(UK)
- 中国語(注音)
- 中国語(拼音)
- 日本語
- 韓国語
- 英語(US)
- スペイン語
価格
11インチ用 | 31,800円(税別) |
12.9インチ用 | 37,800円(税別) |
重量
11インチ用 | 599g |
12.9インチ用 | 701g |
サイズ
長さ | 幅 | 厚み | |
11インチ用 | 約248mm | 約192mm | 約15mm |
12.9インチ用 | 約280mm | 約228mm | 約15mm |
素材
キーボード部分 | プラスチック |
カバー部分 | ポリウレタン |
接続インターフェイス
Smart Connector
iPad Proをケースに装着するだけで接続完了。
電源
給電や充電は不要。
iPad Proと接続するだけでiPad本体の電力を使用して稼働する。
端子類
USB-Cポート×1
(充電のみの対応で、周辺機器の接続は不可)
キー仕様
- フルサイズ
- シザー構造
- キーピッチ1mm
- バックライト
トラックパッド仕様
Multi-Touchジェスチャー
製品保証
- 基本的には1年間の製品保証
- 使用中のiPad ProがApple Care+に加入している場合、
Magic KeyboardにもApple Care+が適用されます。
よって、保証が2年間に延長されます
その他の仕様
- フローティングデザイン
フローティングカンチレバーという構造がヒンジ部に採用されているため、
まるでiPad Proがキーボードから浮いているようなデザインになるようです。
その他、Apple正規の競合アイテム
Smart Keyboard Folio
価格
11インチ用 | 18,800円(税別) |
12.9インチ用 | 20,800円(税別) |
言語
Magic Keyboardと同じ展開
対応機種
Magic Keyboardと同じ
トラックパッド
なし
購入動機
iPad Pro用Magic Keyboardを購入するに至った経緯と使用環境。
購入前に使用していた機器
ESR製のiPad Proケース
価格
Amazonで税込み2,899円(4/4購入時点)
【参考】純正のSmart Folioの価格は税別で8,500円
重量
244g
良いところ
- 値段の割には質感が高く、丈夫
- マグネット式での着脱で、純正のケースとほぼ同じ仕様
- スタンド機能もあり。角度は30度と65度
イマイチなところ
- 特にないが、強いて言えば純正のSmart Folioの重量は175gなので約70g程重い
Mac用Magic Keyboard
価格
9,800円(税別)
重量
231g
サイズ
幅 | 奥行き | 高さ(最厚部) |
279mm | 114.9mm | 10.9mm |
良いところ
- バッテリー持ちが良い
- JIS配列のキートップ印字のまま入力可能(サードパーティー製のキーボードだと、キートップの印字がJIS配列であっても、英字配列のキー入力になってしまうことが多い)
- iPad Proだけでなく、iPad MiniやiPhoneをはじめ、たくさんのデバイスに接続可能
イマイチなところ
- サイズが少し大きすぎる。特に横幅が場所をとってしまう。
- タイピング音がカチャカチャとうるさく、若干チープ。
- 発売されてかなり時間が経っている。これはある意味アップデートの必要が無いくらいに製品として完成されていることの裏付けでもある。
Magic Trackpad 2
価格
シルバー | 12,800円(税別) |
スペースグレイ | 14,800円(税別) |
重量
231g
サイズ
幅 | 奥行き | 高さ(最厚部) |
160mm | 114.9mm | 10.9mm |
良いところ
- バッテリー持ちが良い
- ジェスチャーが多く、感覚的にiPad OSの操作が可能。マウスではできないピンチインやピンチアウトの操作。2本指、3本指を用いたスワイプなどが可能
- 操作できる面が広く、作業の効率が良い
イマイチなところ
- サイズが広いのはメリットでもあるが、机を占有する面積が広くなってしまう。Magic Keyboardの横に配置するのが作業効率的には理想なのだが、カフェなどの狭いテーブルだと前後でしか配置できないことがある。
- 表面の素材がガラスのため本体自身が衝撃に弱い。また、鞄の中の他の機器や壁にぶつけて傷つけてしまう可能性がある。
使用用途
- ブログ執筆
- テキストエディタ(bear)
- ウェブブラウジング
- Google Chrome
- 動画鑑賞
- Hulu
- youtube
- 電子書籍閲覧
- kindle
- イラスト
- Procreate
使用環境
- 通勤時持ち歩き
徒歩:自宅から最寄りの駅まで往復30分、職場から駅まで往復20分程度。
バックパックにて持ち運び - 自宅での使用
書斎のデスク上でのテキスト打ち込み、ウェブブラウジング、イラスト作成。
ソファに座って動画鑑賞、読書 - 職場での使用
主に休憩時間に自席での読書、及びウェブブラウジング
iPad Pro用Magic Keyboardに期待するところ
- 二つに分かれている入力デバイス+カバーを一つに
- Apple Pencilを併用したい
- 持ち歩くのに支障がないレベルの携帯性
使用レビュー
デザイン、その他本体仕様について
筐体デザイン
流石純正の一言。格好良いです。
カバー+キーボード+トラックパッドがコンパクトに一体化して、
より端末としての完成度が上がった印象になります。
ただ、フローティングデザインに言及されることが多いですが、iPad Proが浮いていることによるメリットは特に感じません。
見た目だけの問題だと思います。
素材感
キートップやトラックパッドの部分はプラスチックで、その他の部分ポリウレタンです。
ポリウレタンの部分はサラサラしていて触り心地が良い。
iPad Pro本体が接する面は起毛状になっていて、若干のクッション性があります。
耐久性
ヒンジ部分はかなり剛性があり、長期間使うことによって弱ってくるような印象は無いです。
キーボードとトラックパッド部分に関しては、一般的な外付けキーボード等と同等の強度があると思われます。
水分に気をつけて、常識の範囲内の力でタイピングをしていれば、そう簡単に痛むことはないと考えられます。
カバー部分に関しても、一般的なポリウレタン製のカバーと同程度の強度です。
端子類
USB-Cのコネクタが1つ付いているのは良いですが、あくまでも充電専用というのは残念。
ポータブルストレージ等の周辺機器を2つ同時使用できません。
バックライト
全く照明がない状態でもはっきりとキーを視認できる輝度のバックライトが点きます。
視認性は高いです。
携行性、取り回しについて
参考のため、iPad Pro本体のサイズ及び重量と共に、
各周辺機器の重量及び本体との合計重量を記載しておきます。
iPad Pro 11インチ Wifiモデル
縦 | 横 | 厚み | |
サイズ | 247.6mm | 178.5mm | 5.9mm |
iPad Pro 本体 | iPad Pro用 Magic Keyboard | 総重量 | |
重量 | 471g | 599g | 1,070g |
ESR製 ケース | Mac用Magic Keyboard | Magic Trackpad 2 | 周辺機器 総重量 | +iPad Pro 総重量 | |
重量 | 244g | 231g | 231g | 706g | 1,177g |
iPad Pro 12.9インチ Wifiモデル
縦 | 横 | 厚み | |
サイズ | 280.6mm | 214.9mm | 5.9mm |
iPad Pro 本体 | iPad Pro用 Magic Keyboard | 総重量 | |
重量 | 643g | 701g | 1,344g |
ESR製 ケース | Mac用Magic Keyboard | Magic Trackpad 2 | 周辺機器 総重量 | +iPad Pro 総重量 | |
重量 | 300g※ | 231g | 231g | 762g | 1,405g |
※12.9インチモデルは所有しておらず、当然ESR製のケースも持っていないので重量がわかりません。推測の重さとして300gで計算しています。
サイズ感
サイズに関しては、ESRのケースと比較するとキーボードの分5mm程厚みが増します。
5mmと聞くと大した差ではなさそうに思えますが、実際に持ってみると結構違います。
週刊誌の厚みからコミック本の厚みに変わるくらいのイメージです。
重量感
重量に関しては、少し重いです。
iPad Pro用Magic Keyboard単体でiPad Pro本体よりも重量があります。
片手で持てますが、10分以上支え続けろと言われたら厳しいレベルです。
安定感
- デスク上
当たり前ですが、とても安定するし省スペースです。
狭い机の上にも乗せることができます。 - 膝の上
ヒンジがかなりしっかりしているからか、想像よりもかなり安定しました。
膝の上で長時間安定してタイピングすることができます。
これは、キーボードとトラックパッドをバラバラで使用している場合には実現できない使い方です。
ソファーなどでくつろぎながら気軽に使えるのはメリットです。 - 寝ながら
流石に仰向けの状態で使用するのは無理でした。笑
うつ伏せであれば、なんとかタイピングもできる形にはなりましたが疲れます。
長時間の使用は無理だと感じました。
縦持ち
仕様上、縦方向に置くことができません。
電子書籍や縦長の資料を閲覧する際には使いづらいです。
カバーを外すことで解決はするのですが、その際にはiPad Proを裸で使用することになりますし、簡単とは言えども脱着の手間が少し面倒です。
ヒンジのチルト角度
キーボードの面に接しているヒンジ部分は約80度までしか開きません。
iPad Proを接続する面にあるヒンジを更に広げることで、最大約120度まで開きます。
ノートPCのような形で使用する分には最適な角度で調整できます。
ただし、Apple Pencilを使用することを考えると角度が浅すぎます。
もう少し深く倒して、机の面と並行に近い形にすることができれば、
Apple Pencilの同時使用にも十分対応できたと思うので残念な仕様であると感じました。
キーボード使用感
打鍵感
一部のサイズが小さいキー(tab、ctrl、ー、^、¥、@、「、:、」、矢印キー)を除き、全体的にタイピングはしやすいです。
しかし、頻繁に使う矢印キーに関しては、せめて左右のキーを上下に広げて欲しかったと思います。
キーの打ち心地としては、Surface Proのタイプカバーに似ているように感じました。
Magic Keyboardはシザー構造で、一方のSurface Proのタイプカバーはパンタグラフ構造になるので構造は異なります。
打鍵音
参考にしていただくために打鍵音を録音しました。
音声の前半は弱めに打った音、後半は強めに叩いた音になっています。
比較用に、以下のデバイスの打鍵音も用意しましたのでお聞きください。
- Mac用Magic Keyboard
- MacBook(無印、2017年モデル)
- Surface Proのタイプカバー
※極力全てのキーボードで同じ力でタイピングするように努めましたが、
若干の差は生じていると思いますのでご了承ください。
以下が打鍵音比較の結果になります。
iPad Pro用Magic Keyboardが最も打鍵音が静かでした。
一方で、Mac用Magic Keyboardに関してはカチャカチャと高音が耳につく音がしてうるさいです。
※音の感じ方には個人差があるので参考程度にお考え下さい
Mac用Magic Keyboardとの比較
打鍵音以外に関しての比較になります。
iPad Pro用Magic KeyboardにはEscキーとFnキーがありません。
Mac用Magic Keyboardとの最大の違いはこの一列の有無になります。
個人的にescキーは多用するので、escキーが無いのはかなり痛いです。
トラックパッド使用感
サイズ
トラックパッド部分の寸法は以下になります。
横幅 | 縦幅 |
約99mm | 約45mm |
横幅はある程度の長さが取れているので、カーソルを左右に動かす操作に関しては支障は無いです。
しかし、縦の長さに関しては不十分に感じました。
特に、WebページやPDFファイルといった縦長のものを閲覧する際に縦スクロールを多用するので、指を頻繁に上下に移動させる必要性が生じます。
触り心地
トラックパッドの表面はサラサラしていて操作しやすいです。
また、カーソルの追従性もヌルヌルで快適です。
ジェスチャー
2本指、3本指を使ったスワイプをはじめ、ピンチイン・ピンチアウトといった操作に関しては、Magic Trackpad 2と全く同じ操作が可能です。
タップ感
指を軽く叩くタップに関しては特に気にならないのですが、押し込んだ時のクリック音に関しては少しうるさいです。
Magic Trackpad 2との比較
Magic Trackpad 2のサイズを、Magic Keyboardのトラックパッド部のサイズと共に再度掲載します。
横幅 | 縦幅 | |
Magic Trackpad 2 | 約160mm | 約115mm |
Magic Keyboardの トラックパッド部分 | 約99mm | 約45mm |
サイズが最も大きな違いになるのですが、Magic Trackpad 2の方が横方向に約1.6倍、縦方向には約2.5倍大きくなります。
当然その分机の面積を占有してしまうことにはなるのですが、
操作感に関しては、Magic Trackpad 2用の方が圧倒的に操作しやすいです。
カーソルの移動、クリック、タップといった操作感に関してはほぼ同じです。
Mac用は表面がガラス、iPad Pro用はプラスチックになります。
Magic Trackpad 2の方が高級感や質感は高いですが、意外とiPad Pro用の方が指の滑りは良いです。
クリック音に関してはiPad Pro用の方が断然大きく、うるさいです。
まとめ
良かったところ
- 一番のメリットとして感じたことは、膝においてタイピングやトラックパッドの操作ができることです。
これは一体型でなければできない使い方です。
テーブルがないソファに座っているときにも手軽にタイピングができるのはかなりの強みです。
- カバー+キーボード+トラックパッドが一体化することで単体で持ち出せるので、かなりスマートな運用ができるようになりました。キーボードを家に忘れてくるといった心配もありません。また、デザインに関しても秀逸です。
- 本体の質感や剛性、キーの打鍵感といったクオリティが非常に高いです。
また、高級感があるので所有する満足感は高いです。
悪かったところ
- 一番のデメリットは価格ではないでしょうか。
デザイン、質感、機能面に関してはApple純正ということで、当然高いパフォーマンスを持っています。
しかし、11インチモデルで税込約3.5万円という価格設定。既存のMac用Magic Keyboard+Magic Trackpad 2+中華製ケースは合計でも税込約2.8万円。7千円ほどの価格差があります。
また、これだけ高額であるにも関わらず、次期モデルにも使用できるという保証がありません。
一方で、キーボードとトラックパッドを単体で購入すれば、Bluetoothという規格に対応しなくならない限り、後継機でも使用し続けることが可能です。
- 少し重いです。
キーボードとトラックパッドとケースを単体で使用した場合の総重量よりかは若干軽いものの、単体運用の場合は必要に応じてキーボードだけ持ち歩くといった対応が可能です。
一方で、iPad Pro用Magic Keyboardの場合には常に1kg以上の状態で持ち歩く必要性が生じます。
- Apple Pencilとの併用が厳しいです。
私はノートアプリやイラストアプリでApple Pencilを多用するので、ケースに付けたまま使用できることが望ましいのですが、iPad Pro用のMagic Keyboardの場合、同時使用するのは画面の角度の関係で難しいです。
なので、一度取り外して裸の状態にする必要があります。
- iPad Pro本体のバッテリーから給電されるため、iPad Pro本体のバッテリー消費が早くなる。
詳細の検証はしていないし、日によって使用環境は異なるので明確にどの程度バッテリーを消費するのかは明言できませんが、体感的には2割くらい消費量が増えたように感じました。
おすすめできる人
- 周辺機器類を可能な限りコンパクトに持ち歩きたい人
- タイピングする頻度が高い人
- デザイン性を追求したい人
- iPad ProをPCの代替品として使用している人
おすすめできない人
- タイピング頻度が低い人
- 電子書籍や書類を閲覧する頻度が高い人
- コストパフォーマンスを求める人
- バッテリーの消費を気にする人
- Apple Pencilを多用する人
ずばり買いか?
あと1万円安ければ万人にお勧めできる素晴らしい商品であると言えるでしょう。
iPad ProをPCライクに使用する人は、サードパーティー製に同等品がないので今の価格でもマストバイと言えます。
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